Translate

2023年8月29日火曜日

お泊まり山行2023(Barrhorn 3,610m)DAY2

山行2日目、朝4:45目覚ましが鳴った。

6時ごろ空が白み始める(ビスホルン4151m)


標高2500mにある山小屋の夜は寒いと思っていたけど、この日は下界並みに暖かく、空気は乾燥しているものの、夜中じゅう窓を全開にしていても虫も入ってこないし、とても快適な気温だった。

セルフサービスの朝食
(パン、バター。ジャム、シリアル、ヨーグルト、チーズ、オレンジジュース、コーヒー)
山に持って行くためのハーブレモンティ
Marsch Teeが無料配給


それにこういう所では同室の人のイビキや歯軋り、トイレに起きる人の音、夜中に出発していく人がいたりしてうるさいのと、標高が高いせいで眠れないのが通常だけど、今回はとても静かで山小屋泊で初めてくらいぐっすり眠れた。


癒しの高山植物


朝食を済ませ、6時出発と同時に外が明るくなり始めた。

山小屋からハイカーたちが続々と出発。

岩場の急斜面とロッククライミング


道中、エーデルワイスや岩の隙間から様々な可愛い花たちがご挨拶。


朝焼け(2700m辺り)

出発していきなり岩場の急勾配にさしかかり、一気に息が上がる。

足場の悪いところはロープが張ってあるので、それを伝いながら下の人に落石をしないよう慎重に登る。

こんなところにも健気に咲く花


岩場を登り切ると遥か彼方にバーホルン山頂が見え、そこからはなだらかで長い長いモレーンの道が続き、まるで火星に来たかのよう。

朝日が高い山々の頂きを照らし始めるけど、ハイキング道はまだまだ日陰で歩くには丁度いい気温。

延々と続くガレ場

途中こまめに水分を摂り、持参したおやつを食べてしっかり栄養補給。


左の山がバーホルン山頂


徐々に勾配もきつくなり足場も悪くなってきて、標高も手伝ってさらに息が上がる。

同じ宿だったハイカー達と抜きつ抜かれつ声を掛け合いながら・・・。


岩場


出発して3時間経った頃にやっと稜線から太陽が昇ってきた。

御来光〜🌞


標高3000m付近


山頂はすぐそこに見えているのに、空気が薄いせいか足取りが重くなる。

ここまで体調も良好🙆‍♀️


さらにぐんぐん登っていく


稜線に出て反対側を覗き込むと、ツェルマット(マッターホルン)に続く谷側に切り落ちた断崖絶壁、眼下には吸い込まれそうな巨大な氷河が横たわっている。

もうひと頑張り💦


稜線付近


最後は45度もありそうな急坂を滑落しないようゆっくり登って、山小屋から4時間、

標高3610mバーホルン山頂に到着!!!


切り立っているバーボルン山頂

雲ひとつない青空、風もなく暖かい最高の登山日和‼️


眼下に広がる氷河とスイス最高峰ドーム(4545m)


どこまでも続く4000m級の山々の大パノラマ、マッターホルンがちょこっと頭を出し、遠くにモンブランも見える。

スイス最高峰のドームやモンテローザ山群、北側には遠くアレッチ氷河、ユングフラウ、アイガーと懐かしい山々も。


バーホルン山頂の十字架


30分ほど景色を楽しんでから下山開始。

ここから駐車場まで1700mの下りが待っている😅


左がマッターホルン、右の白い山がモンブラン

足元に気をつけながら滑りやすいガレ場を下り、途中で山小屋で作ってもらったお弁当を食べ、午後2時に山小屋に戻ってきた。

他のハイカー達も次々と戻ってきて、みんなで登頂の健闘を称えあった。


        山頂へ続く急坂        ブルネッグ氷河とヴァイスホルン(4506m)


体が冷えたのか下山途中でお腹が少し痛くなったけど、山小屋まで下りてきたら治った。

標高が高いところに行くと気圧の関係でお腹が張るって聞いたことがあったので、それだったのかも知れない。


ピクニックランチ(12フラン💧)


山小屋のテラスでケーキとアップルジュースで休憩をした後、預けてた荷物を引き取って、これから更に駐車場まで600mの下り。


ミミナグサ

自転車を担いで登っていく人がいる😱😱😱


午後になり気温も上がり、標高が下がるごとに暑さも増してきて、持っていた水も残りわずかになり、いつものことだけど途中でやっぱり登山靴が痛くなってサンダルに履き替えたりして、バテそうになりながらも夕方になってやっと駐車場まで下りてきた。


リンドウ


朝からほぼ丸1日10時間のハイキング。


疲れた体に最高❣️


体は疲れてるけど、登りきった達成感と今回は景色を楽しむ余裕があった満足感とで気分は爽快!


山小屋からは来た道とは違うルートで下山


重い装備や登攀技術の要らないハイキング登山と言うだけあって、明らかに私たちよりも年上のカップルやグループが多かった。ヨーロッパ人は男女を問わず身体も頑丈で精神的にも本当にタフ。

みな健脚で、それぞれに山行を楽しんでいるようだった。


山のチャペル

遠ざかる氷河


帰り道にローヌ谷のSierre[シエル]と言うワイン畑の広がる街で、ピザ屋さんに立ち寄って夕食を済ませた。

この日ローヌ谷は40度近くまで気温が上がったんだそう。


帰り道、飲み水発見!


それからまたスイスとフランスの国境の峠を越えて10時ごろに無事帰宅。

運転はスチーブが、その隣で私は大爆睡(笑)。


スイスの小さな村

それから数日間は筋肉痛に悩まされたけど、山でパワーを十二分にチャージし、山に登る前よりも断然元気になった😍


スイスのピザ(18フラン💧)美味しかった


今年も天気、体調、パートナーに恵まれた素晴らしい山行となった。

この山行後の週末に天候が崩れ、標高2300m以上で雪が積もってしまったから、本当にミラクルビームだったとしか言いようがない🙏


気高いエーデルワイス


この調子で9月も突っ走りたい💕


とん


2023年8月27日日曜日

お泊まり山行2023(Barrhorn 3,610m)DAY1

行ってきました〜、今年も晴天に恵まれてミラクルビームな山行でした❤️

国境を越えローヌ谷に下る


もう何年も続けている夏山登山だけど、いつもフランスかイタリアでなぜかスイスには行ったことがなかった。

昔々に買ったスイスの山小屋ガイドブック、当初は全山小屋制覇するぞ〜って張り切ってたのに、今の今までどこにも行けていなかっただなんて💧💧💧


ローヌ谷を抜けてトルートマン谷へと登っていく


なので今年はスイスに決定!

しかし1泊2日で行けるところとなるとかなり限られてくる。


ボスの手作り弁当、ごっつぁんです!


技術的にも体力的にも4000m峰の山はもう無理だけど、3000m峰くらいは登りたいなぁと思いながら、1ヶ月ほど前からネットで色々と検索。


山小屋ガイドブックと地図
(スイスの地図はアート作品と言ってもいいほど美しくて精密で見やすい)


3000m峰と言ってもそんな簡単な山なんて〜のは何処にもなく、森林限界を超えて登って行けば氷河が削り落とした足場の悪いモレーンが続き、最後は岩を攀じ登って山頂ってのが大概のパターン。


本日の目的地


そんな中でスイス・バリス地方(ドイツ語圏)にヨーロッパで最も高くまで登れるハイキングコースがあると言うではないか⁉️

ふむふむ、、、バーホルン(Barrhorn 3610m)、これは面白そうと興味を惹かれた。


目的地はまだまだ遠い


途中の山小屋で前泊し、2日目にバーホルンに登って帰ってくる計画を立て、1ヶ月ほど前にとりあえずネットで山小屋の予約だけしておいた。


小さなダム湖


このネット予約が私のチョンボで1泊のところなぜか2泊になっていて、出発前日に間違いに気づいた為、慌てて修正したら100フラン(60%)のキャンセル料がかかってしまい、とんだ痛手を喰らうことに・・・。

ガ〜ン😭😭😭


石灰をたっぷり含んだ青い氷河の水


気を失いそうになったけど、悪運はここで使い果たしたことと捉え、お金で解決できるんだったらこんな簡単なことはないと、前向きに気持ちを切り替えて出発することにした。


あんなところ〜💧ここから更に1時間


* * *


1日目は山小屋の夕食時間までに到着すればいいだけなので、朝はゆっくり10時ごろ出発。


マーキングもしっかりされていて、さすがはスイス


職場のボスが残り物でお弁当を作ってくれたので、それをお店でピックアップしてから、途中銀行で現金(スイスフラン)を下ろしたり、山に持っていくおやつを買い込んだり。。。


標高2000mを越えるとモレーンが登場


山小屋の注意書きを読むと、支払いは現金のみ、谷のパーキングはコインのみ、水は有料ということだったので家から多い目に持参、それと個々にシーツもマスト。


見たことのない高山植物


家から国境〜峠を越え〜高速道路を通って、トルートマン谷(Turtmann Tal)に入り、車で約120キロほど走って、午後1時すぎ登山口(標高1900m)に到着。


トルートマン・ヒュッテ


遠くにトルートマン氷河が顔を覗かせお出迎え。

駐車場のパーキングメーターがコインでしか払えないって知ってたのに用意してくるのを忘れて、通りすがりの親切なスイス人カップルに両替してもらい事なきを得た。


山小屋の食堂

ボスに作ってもらったお弁当を食べてから、午後2時に山小屋までハイキングスタート!

標高差600m、標識には2時間となっている。


最初に建てられた部分(1951年)


氷河に向かってなだらかなジープ用の林道をしばらく歩くと小さなダムが現れ、青く濁った氷河の水が小さな湖を作っていた。


山小屋から見下ろす2つのダム湖


その先には巨大なトルートマン氷河が現れ、溶け出した大量の水が轟音を立てている。

山小屋がすぐそこに見えているけど、ここからは急な登り。


夕食のクリームスープ
(お腹が空いていて他の料理の写真を撮り忘れる😅)


一日の内で最も暑い時間帯で陽射しは強いけど、この辺りからは標高が上がって風は涼しくなってきた。ここからは木も生えないモレーンの道が続く。

山小屋の手前でエーデルワイスの花を発見‼️思わず興奮して写真を撮りまくる(笑)


絶品ノンアル・アップフェルザフト(€7)
コップが可愛かった❤️


結局3時間かかってトルートマン小屋(2519m))に到着。

しばらく天気が安定しているので今夜も満室。外のテラスにはたくさんのハイカー達が飲み物片手に心地のよい天気を楽しんでいた。

https://www.cas-prevotoise.ch/cabanes/turtmannhtte.php

1泊2食付き、ドミトリーひとり83フラン。

野生のエーデルワイス


山小屋の人はドイツ語、フランス語、英語を話し、私たちは3ヶ国語がごちゃ混ぜになった変な会話でチェックインを済ませた後、暫くして夕食の時間になった。

メニューはスープ、サラダ、スパゲティ・ミートソース、デザートは果物。


バンクベッド


同じテーブルにスイスドイツ語の若者5人グループ、スイスフランス語圏のおじさんと私達の計8人で、大皿に出された料理を取り分けて食べる山小屋スタイル。

そのおじさんのスイスから山を縦走して地中海まで歩いた話を聞いたりしているうちに、あっという間に夕食終了。


アーベント・ロート


外に出てサンセットを堪能したらもう寝る時間。明朝は6時には出発するので朝食が5時。

部屋は2階の4人部屋の2段ベットの上段。下段の人に早朝に目覚ましを鳴らすことを一言断ってから9時に就寝。


午後8時のパノラマ


2日目も安定した天気の予報。

長い1日になりそうだけど、ちゃんと山頂まで登れるか期待と不安が入り混じりながら布団に入った。

今回は星を見る余裕がないのが残念、明日の為にしっかり寝ないと😑

DAY2へ続く。



とん