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2017年11月15日水曜日

キューバの旅8(カサ編)

ハナさんちのバルコニー
社会主義国家キューバは長い間、個人事業、家や土地などの私有財産を持つことを禁止されていた。でも長引く経済不況にここ近年、いろんな規制が緩和されお金を稼ぐ人たちが増えてきた。

そのため貧富の差がひらきつつあり、資本主義社会に近づいている。


















輸入にも頼れず、さほど資源もないこの国の経済難を救うのは、美しい自然と素晴らしい文化。それに触れてもらおうと観光業に力を入れるようになり、そこで登場したのがこのシステム。



カサ・パティキュリエ 〈Casa Paticulier〉
一般の家庭の部屋を提供する民泊のこと。

カサのマーク(インターネットより)

ハナさんち




今流行りのAirbnbと同じだけど、一つ決定的に違うところはインターネットを介するのではなく、友達ネットワークを通じてというところ。営業できるのは政府の定めた一定の水準を満たしている政府公認の許可を持っている家に限られる。



キッチン


立地条件や部屋の大きさによって、1泊1部屋だいたい25CUCから40CUCくらい(2〜3人が宿泊可能)。専用のシャワーとトイレ、クーラーや扇風機が完備され、テレビや冷蔵庫が付いているところも多かった。

1CUC=約100円







お湯も出るし掃除もいき届き、プライベートもちゃんと確保されていて、本当に快適だった。もちろんこんな設備はキューバの一般家庭には少ないのが現状。




テラスで朝食(トリニダー)






前もって頼めば朝食(5CUC)も夕食(10CUC)も用意してくれる。まるでそこに住んでいるかの様な気分になるプチ・ホームステイ。











トリニダーのご主人が焼いてくれたArepaというパンケーキ



私たちは出発前に自宅からメールでハバナのハナさんちを予約。次の行き先を決めたらハナさんが目的地のカサに予約を入れてくれる。そのカサからまた次のカサを紹介してもらうという、アナログ・ネットワークがちゃんとある。










もちろん、カサの客引きがそこら中にいるし飛び込みで探すのも手だけど、部屋を見せてもらい値段をハッキリさせてから返事をしないと、結構強引なカサもあるのでご注意。

キューバに旅行を計画されている方の為にカサをご紹介!


Casa Tony y Hana in Habana(1泊35CUC)1部屋のみ



ハナさん所有の高級アパート



前のブログにも少し書いた日本語が通じる日本人専用宿。ハバナ市内でも環境がよく便利な場所にあり、アパートの3階のバルコニーからは海も見える。

トニーさんは普段日本語ガイドとして忙しく外に出回り、ハナさんは家にいてお客さんの面倒をみてくれ、お料理も上手。旅の情報など日本人を熟知したサービスを提供してくれる。

風邪の看病もしてくれました、Muchas Gracias!








Casa Trinibella in Trinidad(1泊25CUC)2部屋



夕食は食べきれないほどボリューミー


ここはハナさんに紹介してもらった宿のご両親宅。トリニダー市内の便利な場所にあり、ご隠居されている夫婦が至れり尽くせりのおもてなしをしてくれる。

スペイン語しか通じないけど、困ったら若夫婦に電話してくれるので英語で質問も可能。








キッチンもあり、居住空間が広かったのでとても快適で食事も豪華だった。交通量の多い通りに面していたので騒音が半端じゃなかったけど、リーズナブルで大満足。




笑顔が可愛いノリーンさん



カサで洗濯をお願いした時のエピソード。

スチーブは普段から靴下がボロボロになると、そうでない方同士をペアにして履くので左右柄の違う靴下をよく持っている。奥さんのノリーンさんが乾いた洗濯物を私のところに持ってきて、4足の柄の違った靴下を見せて「ごめんなさい、片方づつどこかにいっちゃって見当たらないの〜」って言うから、私が身振り手振りで、これはこれで2ペアになってるから大丈夫ですよって言ったら、吹き出して笑っていた。

スチーブはキューバでも本当に変な外人😵



Casa Avenida del Sol in La Boca(1泊20CUC)3部屋


お湯もちゃんと出ます




トリニダーでせっかく紹介してもらった宿にたどり着けず、思いがけなくイケメン兄さんに紹介してもらったカサ。















1階はとても快適



道路から1本入った静かな通りに面した平屋建ての家。前庭にはお花が咲き、部屋は広く、テラス、ダイニングも明るくてリラックスできる。








話好きの奥さん






話好きの家族は友達が多く、いつもいろんな人が出入りして楽しい雰囲気。何か困ったことがあるといつでも親身になって相談に乗ってくれるのはホテルと違いカサの心強いところ。













Casa de los Amigos in Varadero(1泊25CUC)2部屋





物価高の観光地バラデロでカサの宿泊代は35CUCが相場だけど、シーズンオフということもあって1泊25CUCにしてくれた。

夫婦と息子2人、おばあちゃんの5人の仲良し家族、親戚もたくさん近所に住んでいるらしい。







玄関、夜には鍵もかかる



ティーンエイジャーの息子達は英語が上手で、お父さんも片言を話す。明るくていつも家族の中心にいる奥さんのベティさんは家族の世話を、お客さんの料理と部屋掃除は家長である強面のお父さんの仕事。










いつも家族一緒



街の中心にありビーチからも近く、オーダーすれば名物ロブスター料理も出してくれる。隣に小学校があるので、平日は朝早くから子供の声で起こされたけど、とても居心地のいいカサだった。










カサを経営している人達は持ち家のある裕福層。CUCの現金収入が得れるのでサラリーマンよりはるかに余裕がありそう。(果たして税金はどんなもんなのか)









でも長年個人事業ができない国だったので、商売っ気はそんなにたっぷりって感じでもなく、決まった物の値段はそれ以上請求されることがない代わりに、値切ってもあまり応じてくれなかった。














人に媚びるようなこともしないし、愛想を振る舞う習慣もないけど、逆にそれが旅行し易さの理由の一つだったのかもしれない。



キャッチボールをするご近所さん






外国からのお客さんに格安で最大級のおもてなしをしてくれて、私たちも人々の暮らしを肌で感じることができ、それでキューバ人の生活も潤う、カサは本当にいいシステムだと思う。












そんなキューバはどこか懐かしくて温かい昭和の香りがしないでもない。




とん












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