Translate

2018年11月29日木曜日

バカンス2018その8(ベオグラード SERBIA)

セルビア国境Dimitrovgrad駅
ブルガリアのレトロ感がすっかり気に入ってしまったので、次に行くEUにもシェンゲンにも加盟していない未知の国セルビアはどんなところだろうと期待に胸を膨らませて向かった。


















セルビアNis駅で乗り換え、30分の待合せ






セルビアと言えばテニスのジョコビッチかユーゴスラビアの内戦くらいの知識しかない。
















私がヨーロッパに住み始めた90年終わり頃は、内戦の終焉でこのあたりの地域はまだまだ観光できる状態ではなかった。




深い渓谷を走る列車




未だ隣人コソボとの関係もスッキリせず、長年に渡って民族紛争が耐えないこの地域は、きっと喧嘩っぱやいか民族意識の強い人たちが住んでいるに違いない、と私の勝手な想像。










ブルガリアを出発してしばらくはのどかな牧草地が広がる。セルビアに近ずくにつれ深い渓谷に入ってくる。ブルガリア南西部は山岳地帯で冬にはスキーも楽しめる。


1時間半ほどでセルビアの国境にさしかかり、パスポートコントロールを受け、Dimitrovgrad駅でセルビアの列車に乗り換えた。景観も家々も駅も電車も、全てが小綺麗でなんか拍子抜け(笑)




最新列車



1回乗り換え、その後列車は各駅停車でのんびりと走り、ベオグラード中央駅に着いたのが夜9時半、実に12時間の列車の旅。途中で乗り降りしていた乗客もベオグラードに着く頃には誰もいなくなった。







ベオグラード中央駅




できたばかりの真っ新なベオグラード中央駅は市内から3キロほど離れた何もないところにあり、駅前にはバス停がひっそりとあるだけ。電車の本数も利用客も極度に少なく、お箱だけ立派なのが異様な雰囲気。









今夜の宿はネットでスチーブが選んだダウンタウンにあるこれまた最安値(1泊ドミトリー7€)のホステル。駅を後にぼちぼち歩きはじめた。





クラシックな政府関係の建物






街灯が暗いのか建物が黒いのか、本当に街全体が暗い。でも女性も一人歩きしているし、危ない雰囲気は全くない。ライトアップされた共産圏の匂いのする建物がその暗さとのコントラストで一層輝いて見える。











看板の上がっていないホステルを探すのに一苦労して、着いたのが23時。




ダウンタウン





そこは地元のラグビーチームが所有する合宿所を間貸したホステルで、宿泊客もがたいの良いラガーマンみたいな野郎ばかり。男女相部屋に入るとイラン人とインド人がいて、話すと気さくな人たちだった。













でも共有のリビングルームには野郎たちがたむろしていて、タバコの煙でとてもくつろげる雰囲気じゃなかった。




自家製パンが美味しかった(レストランMIKAN)



スチーブが宿泊客を見て、んっ?なんか観光客とは違う雰囲気だと気づいた。
話をしてみると、ほとんどがインドやトルコ、イランなどからの移民で、みんなEU圏内に侵入する時期を待っている人たちだった。











クネズ・ミハイロヴァ通り




スチーブがイギリス人だとわかると、イギリスはどんなとこ?とかロンドンには仕事はあるのか?とか、みんな真剣に質問を浴びせかけていた。











今深刻化しているヨーロッパの移民問題を実際に目の当たりにしたのは初めてだった。






セントマーク教会




その夜、私はなんとなく不吉な予感がしたので自分の寝袋に入って2段ベットの上に寝た。そしたら見事というか予想どおりというか、南京虫に襲われ首や顔を刺され、懐中電灯を照らして小さな虫をいくつもやっつけたけど、キリがないのでスチーブのベットに逃げ込んだ。
スチーブも他の2人も全く気にせずいびきを立てていて、被害にあったのは私だけのようだった。









私の血はそんなに美味しいのか(笑)すぐ虫に刺されるし、時々アレルギー反応を起こして真っ赤に腫れ上がる。
ギリシャで蚊、ここでは南京虫、ほとほと気が滅入ってしまった。











それから数日後に刺されたところが腫れてきて、数えてみると顔に10箇所、身体に40箇所くらい刺されていた(泣)










イタリアで買った抗ヒスタミン剤入りの痒み止めが本当に役にたった。



ラテ・マキアート



次の日は気を取り直して観光に出かけた。
冷たい小雨模様、そう言えばこの旅で久しぶりの雨かもしれない。

東ヨーロッパで最も美しい歩行者天国のひとつと言われるクネズ・ミハイロヴァ通りの洒落たカフェでカフェ・ラテとクロワッサンで朝食。











今や世界中どこへ行ってもカフェと言えばイタリアン、パンはフレンチ・スタイルの店が人気。





ドナウ川




落ち着かないホステルを出てカフェでホッとした後、サバ川とドナウ川の合流地点の丘にある街を一望できるベオグラード要塞へ。








観光客や遠足風の学生さんもいます。



野菜のグリル





シティマップが欲しくて観光案内所を探してみたけど見当たらず、こういう時はちょっと良さげなホテルで聞いてみると必ずもらえると、スチーブに教えてもらった。















なんと3コースのデイリーランチが450円?!






早目のランチにMIKANと言う郷土料理レストランに入り、私はサラダと自家製パン、セルビア名物のソーセージを頂いた。















チェヴァプチチ




セルビア料理は肉料理。
とにかくそこら中にお肉屋さんがあり、みんな肉しか食べないらしい。












熱い国民性もこの肉食人種からきているのかも知れない。






このレトロ感がいい💕




午後はモスク、博物館、国立美術館、パーラメント、セントマーク教会と立派な建物が続き、ニコラ・テスラ博物館まできた。










人気博物館なのか満員だったので断念。



ニコラ・テスラ博物館





ニコラ・テスラはセルビアを代表する天才発明家で物理学者、蛍光灯などを発明しエジソンのライバルと言われた人物。ベオグラード空港の名前にもなってるし、100ディナール札の顔でもある。













それにアメリカの高級電気自動車テスラは彼にちなんでつけられたと、MIKANのウエイターが教えてくれた。





聖サバ教会







さらに歩いて世界最大級の正教会大聖堂「聖サバ教会」へ。残念ながら工事中で中には入れず。















NATO空爆ビル




それから、平和を忘れない為にとそのまま残されているNATO空爆ビルの前を通った。その姿は本当に衝撃的だった。














3ヶ月前まで使われていたとは思えない朽ちぶりの旧国鉄駅






ゴースト化した旧国鉄駅まで行って、ホステルに戻った。











荷物を取って、ブダペスト(ハンガリー)行きの夜行列車に乗る為にまた歩いて中央駅に向かった。




ベオグラード新中央駅近く





私は昼食の残りで、スチーブは1€のピザで夕食を済ませた。











今回は私のたっての希望で10€を支払って寝台車を予約。





なかなか快適



初めて乗る寝台列車にワクワクしながら、21:44に出発。夜中3時に国境駅で叩き起こされてパスポートコントロールを受け、無事シェンゲン圏内に帰って来れたのでホッと安堵感が戻った。









寝台列車





ベオグラードはヨーロッパのどこにでもある街と何の変わりはないけど、国はEU、シェンゲン圏外と言う目に見えない厚い壁を持ち、生まれた国が違うというだけで自由を奪われた人たちがその壁を乗り越えようと集まってくる、その最前線にはなにか緊張感のようなものを感じた。














一見物静かで几帳面、とても親切なセルビア人、想像してたのとは違ってとても好感が持てた😊旧ユーゴスラビアのほかの国々にも行ってみたくなった。






とん




0 件のコメント:

コメントを投稿